
髙木 竜馬さん Ryoma Takagi
ウィーン国立音楽大学及びイモラ国際ピアノアカデミーに特別奨学生として在学。E.アシュケナージ、中村紘子、P.B.スコダ、M.クリスト、B.ペトルシャンスキー各氏に師事。第6回ホロヴィッツ国際コンクール、第19回浜松国際ピアノアカデミーコンクール等で第1位。2016年には、チャイコフスキー国際コンクールやエリザベート王妃国際コンクールの覇者を輩出した、第26回ローマ国際コンクールにおいて優勝を飾る。ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでつとに有名なウィーン楽友協会大ホール(黄金のホール)を初め、サントリーホール、みなとみらいホール、新国立劇場、紀尾井ホール、ミューザ川崎シンフォニーホール、ニューヨークスタインウェイホール、モスクワ音楽院大ホール、クレムリン宮殿、シェーンブルン宮殿、ウィーンコンツェルトハウス等で演奏。東京フィル、東京交響楽団、千葉交響楽団、神奈川フィル、群馬交響楽団、ヤロスラブリ管弦楽団、ウクライナ国立フィル、ウィーン室内管弦楽団、等と共演。TV『題名のない音楽会21』に出演。演奏の模様は『BSジャパン』『NHK-FMリサイタル・ノヴァ』『オーストリア国営ラジオ』等々にて放映される。(公財)江副記念財団第35回奨学生。
- 音楽活動を通して伝えたいことは何ですか
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演奏会にいらして下さったお客様は、それぞれに「業」をもってらっしゃいます。
演奏の際に、音を奏でることは途中経過であり、ホールに響くことも途中経過です。
お客様の耳に届き、そこから心に広がり、そしてお客様それぞれが抱えてらっしゃる「業」に、
良い方向へと影響を与えられたその時に初めて、自分が演奏をする意義が生じると考えています。
演奏会を通して、お客様の次の日からの活力になれるように、演奏をしています。 - 尊敬しているアーティストは誰ですか
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ロシアのピアニスト、グレゴリー・ソコロフです。
全ての音に魂を注ぎながらも、曲の構築は堅牢であり、そのバランスの妙技に瞠目します。
ソコロフは、自身の体調を考慮して、ヨーロッパ以外では演奏をしません。
そのため、留学先で演奏を聴くことが出来るのは、大きな歓びです。
何度も実演に触れていますが、ホールの最後列まで極めて美しく響き渡る弱音は特筆に値し、涙を禁じ得ません。 - 最近ハマっていることは何ですか
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ウィーンに留学しているため、出来得る限り演奏会に通っています。
ウィーン楽友協会、コンツェルトハウス、国立オペラ座。
毎夜、偉大な巨匠が、素晴らしい演奏を繰り広げています。
元々、指揮を勉強していたこともあり、オーケストラによる演奏会にも足繁く通っています。
各国から一流のオーケストラが来演しますが、それぞれの民族性や国の歴史が、響きに反映されていて、
とても興味深いです。 - 日本橋の印象を教えてください
- 徳川家康の公共事業によって架けられた初代の橋から、現在に至るまで、日本の古くからの伝統を重んじながら、
同時に発展していく姿に魅了されます。
街を歩く人々の、晴れやかな姿が印象に残ります。
「伝統」と「発展」。古くからの伝統を誇るクラシック音楽に、現代に生きる私が取り組むにあたって
とても重要な命題であり、 日本橋の姿から、学ぶべきことが多くあります。 - 今後の活動情報を教えてください
- 2018年4月8日よりNHK総合テレビにて放送されます、アニメ『ピアノの森』の
雨宮修平のピアノ演奏を担当することとなりました。
「音楽は、こんなにも愉しい!」「音楽は、魔法のような時間を創ることができる」ということを
教えてくれる、素晴らしい物語です。
音楽を専門にされている方にも、初めて触れられる方にも、愉しんでいただけると思いますので、是非ご覧下さい!